お箏とパーカッションのコンサート ~富山市安養寺のcaffe Sunポはあたたかいのんびり空間~

2022年7月22日

田んぼの中の一軒家

富山市熊野地区の田んぼの中にある一軒家、caffe Sunポ(さんぽ)。私の友人がご実家を改装して開店したあたたか~いカフェです。今日はここでお箏とパーカッションのコンサートがあるということで、息子・義姉とお邪魔しました。

高野咲子さんとヤマダベンさん

富山県出身で神奈川県在住の高野咲子さんのお箏に、パーカッション奏者のヤマダベンさんがコラボするという贅沢なコンサートです。参加費1,000円(見間違いじゃないです、本当に1,000円でした)。

箏:高野咲子さん Perc.:ヤマダベンさん

咲子さんが、ご自身の生い立ちや曲への思いをお話ししながら演奏されます。「星めぐりの歌」私の大好きな曲です。30数年前、劇団風の子児童演劇研究所の入所試験で楽譜を渡されて、すぐに覚えて歌わされたことを思い出しました。「荒城の月変奏曲」「花~すべての人の心に花を~」「たなばたさま」よく耳にする曲ですが、お箏の特性にアレンジがマッチしてとても心地よい時間が流れます。ヤマダベンさんが、完全アドリブで効果的にパーカッションを入れていきます。しかも夜勤明け!「春の海」の作曲者宮城道雄さんの「祭りの太鼓」では、ベンさんの腕が益々なります。「この道」「木星」と続きます。

ド迫力のカホン演奏

途中、ベンさんのカホン独奏がありました。素晴らしい!どうしたらあんなに手が動くのでしょうか。指先がスネアドラムのロールのように弾んで細かな音がつながります。びっくりです。鈴の音はどこから?と思っていると、足首に見つけました、カングル―かな?鈴の束。ジュスカ・グランペールさんや大竹しのぶさんと一緒に舞台に立たれたこともあるそうです。

あたたかな空間で心にしみる箏の演奏

最後は「鳥のように」という、筝曲です。まさに全身全霊で演奏してくださいました。アンコールは「ロンドンデリーの歌」でした。どれもこれも、本当に心に染み入る、温かで優しい、そして力強い咲子さんの生き方というか、これが私です!と堂々と真正面から語り掛けてくるような演奏、素晴らしかったです。ありがとうございます。

雨音が

コンサートの途中、雨が降ってきました。このカフェ、エアコンを使っておらず、窓全開のためそこそこ大きい雨音が響きました。ところが、なんというか、全然邪魔じゃないのです。箏とパーカッションと雨音がセッションしているんです。そのうち、私はなぜか、昔の人はこんな感じで演奏していたのかな、家の中で雨音を聞きながら練習していたのかな、と、奈良・平安の古に生きた女性を思い浮かべていました。嬉しいときも悲しいときもあったろうな、どんな気持ちで箏を弾いていたんだろう…雨音や虫の声と一緒に、時には恋心に胸をつぶしながら、時には何かの怒りに身を震わせながら、そして人前で披露することもあったんだろうな。

私も音楽は好きで、中学生で打楽器・フルート、高校生でサックス、風の子で和太鼓や篠笛に出会いました。小学生の頃にピアノを習ったことも一瞬あったのですが、鍵盤楽器よりも吹奏楽器が向いているように思います。今は篠笛を練習して、ゆくゆくは箏を習っている息子と1曲合奏したいなというのが夢です。

仲間っていいですね

実は、咲子さんは2000年にトルコとレバノンに行った時の仲間です。咲子さんはお箏、私のチーム(くるみ座)は和太鼓や篠笛でのお囃子、他に書道と生け花の先生と通訳さんの計10名で、外務省のトルコ地震慰問公演に参加しました。1999年に起きたトルコ地震(マグニチュード7.4、死者1万7000人以上)の被災地はがれきが残り、レバノンは内戦の銃痕が町中に残っているような状態でした。(この時の体験記はまたいずれ)

コンサート中、その時の体験談もはさみながら話され、私も思い出して懐かしかったです。くるみ座のメンバーにも会えて嬉しかったです。同じ経験をした仲間は貴重ですね、たった一言で数10年ひとっ飛び。また、他のお客さんたちもいろいろな分野でのスペシャリストが多く、お話を少しお伺いしただけでもワクワクするようなことをたくさん聞かせてもらえました。10年以上前に娘の小学校に演奏に来てくださったクラリネット奏者の方がいらして、少しお話させていただき、感激しました。あの音色は今でも忘れられません。ナスやトマト、無農薬の朝もぎ新鮮野菜も頂いてきました。

caffe Sunポは、こんなところ

さて、今回のコンサートが行われたのは、旧富山市の南部熊野地区にあるcaffe Sunポです。くるみ座のメンバーのゆきみさんがご実家を改装して開店されました。ゆきみさんは富山市福沢(旧大山町)の富山国際大学の近くに別荘「あそぼうや」も持っていて、いろいろなイベントやコンサートでちょくちょくお邪魔していましたが、こちらには今回初めて来ました。

Sunポは 月・金・土 開店のカフェ

ご実家だと聞いていたので、普通の一軒家だと思っていましたが、中は完全リフォームで木のぬくもりがあふれるあたたかいカフェになっていました。あちらを見てもこちらを見ても手作り芸術に囲まれています。ギャラリーにもなっていて、誰でもどんな作品でも飾ることができます。今回は、かよちんさんの大きな絵が数点飾られていました。(お箏の写真のバックや上から下がる紙がかよちんさんの作品です)

立地は田んぼの真ん中。窓の外には稲の緑が揺れています。風が通り、気持ちがいい。これから四季折々の自然美を味わうことができるでしょう。家の裏には、養蜂の箱もあります。これもかよちんさんが、はちみつを集めて商品化しているそうです。

木のぬくもりと自然に囲まれる心地よさ

薪ストーブがありました。これは、冬に来る楽しみが増えましたね。他にも子どもも大人も楽しめるように絵本やおもちゃ、楽器(ゆきみさんはギター&歌のシンガーソングライターです)、絵本、CDなどが並んでいます。床はバリアフリーになっていて、車椅子でも大丈夫。トイレもバリアフリーで幼児用のかわいい便器やおむつ替え台もあります。子連れでもゆっくりコーヒーを飲みたいとき、ちょっと息抜きしたいとき、赤ちゃんからお年寄りまでどなたでもウエルカムはゆきみさんの理念だと思います。

営業日と時間は 月・金・土の10:30~16:00 奇数月の日祭日には今日のようなコンサート「おさんぽコンサート」(おとな1,000円・こども500円)もあります。駐車場は建物の前に充分あります。詳しくは「ママスキー」 「Sunポ」を見てください。

チラシ

行き方は、富山から大沢野方面へ向かって「村田製作所」「パンダパンダ」へ行く道(昔、笹津線があった道…若い人には余計にわからないか?)のダイハツ&お弁当屋さん「とみや」を越えてしばらく行き、信号機のない交差点左側に「吉山医院」の大きな看板があるので(看板だけで病院はない)、そこを左折。右手にSunポが見えてきます。手前に砂利の広い駐車場、奥に建物、周りは田んぼ。開店時は大きな暖簾がかかっているので、左折さえ間違わなければわかりやすいと思います。

良い日曜日でした

Sunポに行かなければ、いつものようにゴロゴログダグダ撮り貯めしたドラマを見たり、ダラダラズルズルスマホを見たりしていつの間にか夕方になってしまう日曜日になるはずでしたが、Sunポのおかげで気持ちの良い、懐かしい、心躍る、良い日曜日になりました。車を出してくれた義姉にも感謝です。皆様、ありがとうございました。